魚のすり身に食塩を加えてすり鉢で練り上げ、これを加熱・凝固させて仕上げる“なると”。その“なると”の起源を調べてみたところ、平安時代の古文書にその名が登場していますが、実はその起源は明らかにはなっていないようです。江戸時代に書かれた「蒟蒻百珍」という書物にも、なるとに関する記述があり、ユバを巻いてみたり、昆布を巻いてみたり、昔の人はいろんな食べ方でなるとを楽しんでいたみたいです。起源は分かりませんが、なるとは昔から日本人に愛されていたということですね。さらにその誕生について調べていると興味深いことがありました。それは加工の“目的”。大半の水産加工品は「保存性」を重視して開発されましたが、なるとやかまぼこは「うまみ」にこだわって作られたんです。美味しさを追求して作られた「なると」。是非ともご賞味くださいね。